最近話題の5G。5Gで日常生活や世の中が変わるなどとても大々的に報道され始め、様々な場面で耳にすることがあると思いますがあまり詳しくは知らない人も多いはず。
『5Gは知っているけどどのようなメリットがあるかわからない人』や『通信速度が速くなるとなぜ世の中が変わるの?」といった方も多いはず。
今回はそのような方に向けて5Gとは?から5Gがもたらす世の中の変化まで解説していきます。
移動通信システムの歴史
そもそも5G(第五世代移動通信システム)の移動通信システムとは一体なんなの?といった方のために移動通信システムの歴史とともに解説していこう。
各世代移動通信システムの歴史
「5G」や「4G」の「G」とは「Generation(世代)」のこと。
つまり今までで移動通信システムは現代の5Gの前に1〜4世代の歴史があるということです。どのようにして進化を遂げていったのかを世代別で解説していこう。
1G(第一世代移動通信システム)1979年〜
1979年に日本電信電話公社(当時)が民間用として世界で初めてセルラー方式による自動車電話サービスを開始した。
これが第一世代移動通信システムの始まりだ。1Gのサービスは主に音声通話であり、音声をアナログ変調式で電波に乗せて送信していた。
2G(第二世代移動通信システム)1993年〜
1993年からは1Gのアナログ方式からデジタル方式に進化を遂げサービスが開始された。
これが2G(第二世代移動通信システム)だ。2Gからは音声通話だけではなく、インターネットへの接続が携帯電話でも可能になったことやインターネット上での多種多様なオンラインサービスが利用可能になったことで携帯電話が普及し始め、携帯事業者が他者との差別化を図るため各社が次々と新機能を端末へ搭載することにより携帯電話の多機能化へ繋がった。
3G(第三世代移動通信システム)2001年〜
2Gまでは日本国内で購入した端末は米国や欧州などでは利用できないという状況にあったが3Gからは全世界で同じ端末を使えることを目標にし複数の技術方式が標準化された。また、これまではデータ通信量の増加に伴い高額な利用料金となるケースが多かったのに対し「NTTドコモ」がパケット定額サービス『パケホーダイ』を開始するなどの”定額制”が浸透し始めユーザーはデータ使用量を気にせず使用できるようになった。
またカメラ付き携帯電話の搭乗などの進化も遂げた。
4G(第四世代移動通信システム)2010年〜
2008年に発表された『iPhone3G』は日本でソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)により販売が開始され2009年にはGoogleが開発したAndroidがを搭載したスマートフォンも発売された。
このような状況で商用開始されたのが4G(第四世代移動通信システム)だ。またLTE-Advancedといった高速化技術によるさらなる高速化が実現され大容量の動画コンテンツであってもストレスなく視聴することが可能となった。
5Gとは?
今回のメイントピックである5Gは先述した1G〜4Gの後継で最新世代だ。
今まで説明してきた1G〜4G世代では各世代ごとに進化を遂げてきたが5Gではどのように進化し、どのような特徴があるのだろうかを深掘りしていこう。
5Gとは4Gからどのような進化を遂げているのか
4Gではスマートフォンの普及とともに日常生活に様々な影響を与えるようになりましたが、5Gが普及するようになればスマートフォンなど限られたデバイス以外にもあらゆる端末やシステムが連携していくことができる。
ここで4Gからの進化を数字で見ていこう。
5G | 4G | |
---|---|---|
通信速度 | 最大20Gbps | 最大1Gbps |
遅延速度 | 100万台/平方km | 10万台/平方km |
同時接続数 | 1ms | 10ms |
5Gになると4Gに比べダウンロード速度が10倍程度早くなります。また通信する上での遅延も10分の1とかなり抑えられ4Gに比べよりリアルタイム性が向上します。
5Gはいつから利用できるようになる?
肝心のいつから利用開始なの?という疑問ですが日本全国で一斉に利用開始できるようになるわけではなく各キャリアごとに差があります。
ドコモの5Gはいつから?
ドコモは2020年3月から5Gサービス提供を開始していますが全国的には普及しておらず2023年までに5G専用周波数帯だけで人口カバー率70%を予定しています。
ソフトバンクの5Gはいつから?
2020年3月から提供開始されたソフトバンクの5G通信。ドコモ同様全国的には普及しておらず2022年3月末に全国に5万基地局を設置して、人口カバー率90%を目指しています。
auの5Gはいつから?
対してauは東名阪主要都市から2020年12月から提供開始しており2022年3月には約5万基地局を整備し、高密度の5Gネットワークを構築する予定です。
5Gのメリット・デメリット
メリット
大容量通信可能により快適に
4Gに比べダウンロード速度が10倍速くなるなどインターネット通信の速度が大きく向上するため、大容量のデータを一瞬で送れるようになったり、日常生活では動画配信サービスやゲームをより快適にプレイすることができるようになります。
またVRやARと組み合わせることによりエンターテイメントの臨場感を更に高めることができます。
↓5Gの普及に伴い更に進化が加速する「VR」「AR」「MR」についての記事はこちら。
AR(拡張現実)とは?VR(仮想現実)となにが違うの?MR(複合現実)とは?どのようにして使われているの?少し未来の話まで。
低遅延によるリアルタイム性の向上
5Gを利用すると今までに比べ通信の遅延も10分の1とかなり抑えられ4Gに比べよりリアルタイム性が向上します。
遅延の減少により様々な分野で時代を変える可能性があります。例えば車の「自動運転」ですがなかなか実用化されない原因として「通信速度」がありました。少しの遅延で人命に関わるからです。
ですが5Gを利用することにより遅延が10分の1となることで自動運転の実用化が大きく進歩するでしょう。
多数同時接続ができることで身の回りの物の利便性がUP
4Gの端末接続範囲数は10万デバイス/㎢ですが、5Gは100万デバイス/㎢です。これがどのように利便性向上に繋がるかというと今までは主にスマートフォンやpcだけがインターネットに接続されていましたが5Gになり同時接続台数が増えることで様々な製品がインターネットに接続することができるようになります。
自動車や家電といった製品を接続することで「自動運転」などが実現されるかもしれません。
デメリット
5G対応端末を購入しなければならない
5G対応端末でないと5G技術を使うことができません。また5Gに対応している端末が少ないこともデメリットです。
人体への影響
5G通信を行うために利用される電波が人体に悪影響なのではないかと懸念されています。実際には5G通信を行うための電波が悪影響なのかはまだ不明確ですが体への負担を考えて利用する子方法を知っておくと良いでしょう。
5Gがもたらす日常の変化
自動運転
5Gの普及にともなり自動運転が主流になるのではないかと言われています。それは5Gによって通信の遅延が少なくなりよりリアルタイムで発進や停止などの情報を受信できるようになるからです。
医療関係での利用
5Gの超高速通信や超低遅延によって遠隔医療が可能になるだろうと言われています。
5Gを医療に活用できるようになると地方と都心部での医療の均てん化にも繋がりどこでも高度な医療が受けられるようになります。
また海外でしか受けられなかった手術なども日本で受けられるようになるかもしれません。
エンターテイメント
5G技術が普及し「VR」や「AR」などと組み合わせることができればまるでその場に居るのかのような臨場感が味わうことができ、スポーツ観戦の分野でも期待が高まっています。
まとめ
今回は5G通信についての記事を書きましたがどうだったでしょうか。5Gや移動通信システムの歴史について少しは理解できたのではないだろうか。5Gの普及による生活変化が早く訪れて欲しい物です。
↓5Gの普及により更に今後の活躍が期待されている「VR」・「AR」・「MR」技術についてはこちらでまとめました。
AR(拡張現実)とは?VR(仮想現実)となにが違うの?MR(複合現実)とは?どのようにして使われているの?少し未来の話まで。